「はぁー…全然お前が何を言いたいか分からないな。」
「お前お前って言うな!」
その発言にブちぎれて
ついつい怒鳴ると、彼はびくりと肩を浮かす。 爆発した気持ちを押さえつけられず彼を睨みつける。
「私には真凛って名前があるんだ!
お前って言われるの大嫌い…!」
「…それはすまなかった…。
なあ、取り合えず落ち着いてくれ。
忙しかった仕事も取り合えず落ち着いてきた。 俺は明日休みを取ろうと思う。
だからそのなんだ、あれだ…今夜は…真凛…さんの話をきちんと聞こうと思う。
まあ、酒でも飲みながらゆっくりと話そう」
’酒’とワードを出した彼も悪かったと思う。
取り合えず宥めさせられて、二人でお酒を飲む流れになってしまった。
押さえつけられた感情を爆発させた私は、少しだけ気が動転していたかもしれない。
大体文句を言いたい事は沢山あったんだ。 この一ヵ月ほぼ放って置かれて名ばかりの結婚。
確かに借金を抱えたのは母で、それを市ヶ谷さんに肩代わりしてもらったのならば文句は言えない。



