「そういう…真面目な所も好きなんだけどな」
突然飛び出した告白に、やはり胸は高鳴りっぱなしだ。
それでもあなたの優しい言葉に甘えて、守られていくだけの女にはなりたくない。
目下の目標も夢も、全ては伊織さんとの平凡でも幸せな毎日を守って行く事。
初めはありえない結婚だと思った。
この結婚の始まりは市ヶ谷さんとおばあちゃんのラブストーリーの上で成り立っていた、ただの契約上の結婚。
それでも確かに今の私達の間には、彼らのラブストーリーとは違う愛がある。
世代を超えて巡り合えた私達が紡いでいく、新しい物語。 きっといつか家族も増えて、その物語は賑やかさを増すだろう。
「じーさんがひ孫に会えるまでは死ねないと意気込んでいる」
「ふふ、早く嬉しい知らせを聞かせられるといいんだけどね」
きっとその日まで、そう遠くない未来だろう。
市ヶ谷さんとおばあちゃんの愛は成就しなかったけれど、二人の愛は私達を通じ未来まで続いていく。
ガヤガヤと賑わう店内で、少し頬を赤らめた伊織さんが目を細めてこちらを見て
まるで透き通る海を照らす眩しい太陽の様な笑顔で、私に笑いかけた。
完結
※ここまでお読みくださりありがとうございました。
9月25日におまけSSを追加する予定ですので、よろしくお願いします('ω')ノ
※9月25日 おまけSS更新しました(次のページからです♪)



