「うん。それにしても桃菜すっかり小早川さんとは仲良しね」
「ちょっと止めてよ…。
本当にあいつとの生活は大変でストレス溜まりっぱなしなんだから。
今度話聞いてね? あいつ絶対前世は悪魔よ…」
桃菜の言葉にこくりと頷く。
ここまで桃菜を震え上がらせるのも才能の一つだとは思う。
小早川さんの所へ小走りで向かっていった桃菜は軽く頭を小突かれ、何か耳元でギャーギャーと騒いでいる。
…やっぱり名コンビだと思うけど。
そんな二人の様子を見つめていると、marineの入り口の扉がゆっくりと開けられる。
スーツを着ていた彼は胸元を緩めると、目を細め店内を一周見渡した。
そして私を見つめると笑顔でこちらへ駆け寄って来た。
毎日一緒に居て、その顔を見ている筈なのに何度でも胸がドキドキする。
「伊織は珈琲頼む?」
「ああ、結構客入りもいいな。」



