「だからあ~…私は伊織がすごく好きなの~
ずっと一緒にいたいの~!!!!
だから桃菜と一緒に居るの見た時は本当にショックですごく泣いた!
う……今思い出しただけでも泣ける…」
記憶の中の私は、広いソファーの上でべったりと伊織さんにくっついて甘えていた。
猫なで声とは正にこの事を言うのだ。
私はどうやらお酒を飲むと本音が出て、甘えてしまうタイプらしい。
今までの人生、お酒に飲まれる程酔っぱらった事はない。 いつも先に酔ってしまう人を介抱していたからだ。
はじめから伊織さんの前では飲んで潰れて迷惑をかけっぱなしだった。
ある意味安心出来る人なのかもしれない。
顔色を窺わずに唯一甘えられる人。 きっとそんな人は、この世に一人だけだから。
「いおり~~~…だいすきだよ~~…」
必要以上に人に甘えるのが苦手だった。
半ば意識を失っていた私は、その中で夢と現実の狭間に居る。
ふかふかのベッドの上、大好きな人の香りに包まれて、ぎゅっと胸にしがみつく。
少しだけしゃがれた甘い声が耳元でずっと囁き続けている。



