【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


お酒という単語を聞くと、あの日の失態を思い返してしまう。
その度に穴に入りたくなるほど恥ずかしいのだ。
あの日の過ちを繰り返したくないから、お酒の一滴もあの日以来口にしていなかった。

「明日も休みだし、たまにはいいじゃないか。
それに俺、君の酔っぱらった姿…嫌いじゃないけど」

「酔っぱらって手が出ない程度には気をつけます…。それでも私が飲みすぎてしまうようなら絶対に止めて下さいね?」

「介抱ならば任せろ」

手が出ない程度に気を付ける。 飲み過ぎない。
そう自分に誓ったのは、たった一時間前だった。

そのつもりだったのに…久々に口にしたお酒は驚く程美味しかった。

ただのコンビニのビールや酎ハイだったのに。 最近の缶酎ハイのレベルの高さには、お店顔負けで参る。

美味しすぎて、ついついお酒を呑むスピードも速くなってしまったのだ。

記憶が途切れかけた時、ほんの少しだけ曖昧な記憶がある。