【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


優越感に浸っていたつもりも、同情している気もなかった。
けれど桃菜にそう思わせていた自分がどこかに居た事が、ショックだった。
もしかしたら自分でも気が付かないうちに、態度に出ていたのかもしれない。

家庭環境のせいで、女の子との関係を上手に築けない。
だから桃菜はこういう性格で仕方がない、と思っていた。

女性から嫌われるのは仕方がないから、私が守ってあげなくちゃと思っていた。
言葉には出さなくても、態度で出てしまっていたのかもしれない。

「でも………桃菜だって愛されてきたじゃない…」

「桃菜の事好きだって言ってくれる男の子たちは、桃菜の顔が可愛いからとか体目当ての人達ばかりだった。
そういうの愛されてるって言わない。
桃菜は誰にも愛されていない…!
今までも付き合ってきた人達からも、家族からも…真凛ちゃんからも……っ」

そこまで言いかけて、桃菜はしゃがみ込み顔を隠すように嗚咽を上げ始めた。

「桃菜……」

手を差し伸べようとしたが、それも振り払われてしまった。
小さな体でその場で蹲り泣きじゃくる桃菜は、まるで幼い子供のように頼りない。