そこまで言うとケラケラと可笑しそうに笑い、体を小刻みに揺らした。
私は言葉を失い伊織さんの手をぎゅっと握りしめた。
「何でそんな事を……」
振り絞ってやっと口に出来た言葉はそれだった。
「桃菜、真凛ちゃんの事大ッ嫌いだから!」
無表情な顔に怒りが刻まれて、自分は桃菜に憎まれていたのだと今になってやっと気が付いた。
まさかそれにここまでショックを受けるとは…。
桃菜はいつだって無邪気に笑顔を向けて、私に懐いてきていた。
大好きだと惜しげなく言い、私を頼りにしてきた。 その全てが嘘だったなんて
「真凛ちゃんはそのままで皆に愛されてきた。 取り繕ったりしなくたっていつだって周りに人が集まってきて
それがさも当たり前って顔をしてて、いっつもムカついてたんだよ。
真凛ちゃんは誰にでも優しいから、桃菜とも仕方がなく仲良くしてくれていただけでしょう?
仲良くする振りして、桃菜の事いつも可哀想だって思って優越感に浸ってたんだ。
そういうの、本気でウザいし嫌いだった。同情している時はさぞかし気持ち良かったでしょうね」



