【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


「うん、新婚旅行に行っていないから、新婚旅行に行きたい!」

「それは賛成だ。 君の行きたいところどこにだって行こう。
世界一周旅行っつーのもいいものだ」

「あはは、それじゃあ時間がいくらあっても足りないよ。」

「他には?したい事」

「…結婚式も、やり直したい。 …そんな豪勢なものじゃなくっていいんです。二人きりで、静かな所で
だって初めてした結婚式、全然記憶なかったんだもん。周りに全部決められて、スピード婚だったし」

「それはすまない。 しかしそれは良い提案だ。
因みにじーさんに決められたあの結婚式の記憶は、俺も余りない。
余りにも時間の流れがめまぐるしくって」

「それに意味のない事も沢山したいッ…。 ぼんやりと休日を過ごしたり
伊織さんの意味のない話を聞いたり、私の意味のない話もしたい」

「お安い御用だよ。」

「それに、それに……後ね?」