【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


ぎゅっと目を瞑ると、涙がぼろぼろと零れ落ちた。 私ったら、どうしてこんなに泣き虫になってしまうんだろう。

けれど伊織さんの前では素直な自分の姿を見せて、こんなにも甘えたい。
伊織さんは私の頬に落ちた涙を指ですくうと、私の頬にキスを落とした。

「一人で平気だったのは、誰と一緒に居ても同じだと思ったからだ。
でも真凛に出会って一緒に過ごすようになって、初めて人とご飯を一緒に食べるのも悪くないなと思えたんだ。
昔からどこか人間らしくないと家族や周りにも言われてきたから、いまいち人との接し方も距離の詰め方も分からなかった。
…でも、俺も…俺だって君といたいと思う。」

再び彼の胸の中にぎゅっと抱き着くと、二人の心臓の音が重なり合って、まるで一つに溶け合っていくようだ。

甘えられる場所を、泣き言を言える場所を、やっと手に入れた気がした。

「私、伊織さんと色々としたい事が沢山あるのっ」

「色々?したい事?」