【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


「いや…俺は君の夫として当たり前の事をしたまでだ。
君の前に現れなかったのは…君が俺と顔を合わせるのも嫌かなあと思ったから。
それよりおばあさんの件はなんていっていいのか…。 余りにも突然の事過ぎて、気の利いた言葉が思い浮かばない。
本当にすまない」

そう言って、伊織さんは深々と頭を下げる。

「いえ、大丈夫です!伊織さん、顔を上げて下さい。
それに伊織さん私に気を遣ってくれたんでしょう?ここまで来てくれた事が、私はすごく嬉しかったから…」

伊織さんの顔を見て少しだけ心が安心した。 何より私を気遣ってくれている事は嬉しい事だ。

一緒にホームに行ってくれたのは結局一回きりになってしまったけれど、その時も伊織さんは祖母に親切にしてくれた。

きっと祖母も喜んでくれているに違いない。

「俺は…何も出来なくて
真凛のお母さん、ずっと泣いていただろう。それを真凛が慰めていて
遠くから見ているだけで、結局何も出来なかった。」