事務的な作業を終えてしまえば、ぐっと寂しさが突然こみ上げて来た。
おばあちゃんの最後の言葉と笑顔を思い出して、もう二度とあの笑顔も優しい声も聞けないのだと思うと、見ている青空が段々と滲んでくる。
「真凛」と名前が呼ばれるまで、ずっと空を見上げていた。 その声が伊織さんと気づき、慌てて手で涙を拭う。
振り返ると、喪服に身を包んだ伊織さんがそこに立っていた。
太陽に照らされた伊織さんのブラウンの髪が、風になびく。 何とも言えない顔をしていた伊織さんは、いつもより困っているように見えた。
忙しい人なのに、まさか火葬場まで来てくれていたなんて。
「伊織さん…」
「さっきじーさんに会って、真凛がここに居ると聞いて…」
言葉にも困っている様でいつもより歯切れが悪かった。 気まずそうに視線を落とし、下を向いた。
「伊織さん…お通夜にも告別式にも来てくれていたそうで。
ごめんなさい…。私余裕がなくって、それにも気が付かないで」



