【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


「すぐに平気だって言って、何でも大丈夫だって強がって。
俺にムカついているならはっきりと口にして罵ればいい。
誤解されたままなのも嫌だけど、俺は君が我慢してばかりいて自分の気持ちを一切表に出さない事ももっと嫌だ」

ぐっと堪えていないと涙が零れ落ちそうになる。
私は強い。私は強い。
だから大丈夫。 一人でも絶対に平気。

けれど、あの人達は弱い人だから
お母さんや桃菜は…弱い人だから仕方がない。 だから私が強いから大丈夫。
ずっとそう自分自身に言い聞かせて、強がってきた。

気持ちを切り替えて、いつでも前向きに生きていればきっと大丈夫。 全然平気じゃない時も自分にそう言い聞かせるのがいつの間にか癖になっていた。

「我慢なんかしてない…。強がってなんか、いない…」

「じゃあ、君は本当に俺と離婚をしたって平気だって言うのか?
君の人生に俺は必要じゃないって事か?」