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「こうなってしまった以上、桃菜さんにはマンションを出て行って貰うしかないと思いますけど」
「はぁ?!碧人さん、桃菜の事追い出すつもり?!
桃菜、ここしか行く宛てがないんだからッ」
碧人が家にやって来てやっとリビングに出る事が出来た。
そこで話し合いが執り行われたが、碧人と桃菜はバチバチに火花を散らして互いに睨み合っている。
元々碧人には桃菜を早く追い出した方がいいと助言されていた。 余り関わり合うな、とも。
その助言に俺は首を傾げ不思議がっていたが、今ならよく分かる。碧人が何故彼女を快く思わずに追い出した方がいいと言っていたのかも。
「頼ろうと思えば実家でも友達でも頼れる人は沢山いるでしょう?
大体新婚の友人の家に転がり込むなんて非常識だと俺はずっと思ってたんだ。
真凛さんの親友だと自分では言っていたけれど、それさえ疑わしいと思っていた。
あなたが来てから真凛さんの様子はずっとおかしかったからね。」



