【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


買い物を終えた後はレストランに入った。

そういえば二人で外食をするのも初めてだ。 伊織さんが連れて来てくれたお店は高級感もあったけれどラフな格好で入っても全然変なお店じゃなくって
インテリアに凝っている多国籍料理のお店だった。 「俺のお気に入りの場所なんだ」そう言った彼の瞳もまた少年のように輝いている。

…本当にインテリアが大好きなのだな。

「お料理も美味しいけれど、お店の雰囲気が素敵ですね」

「だろう?良い店だ。安心する。」

「今度伊織さんもボヤージュのお店をオープンさせるんですよね?」

「ああ、そうだ。 ずっと念願だったんだ。 冬にオープンする予定だよ。
うちは持ち帰りのお菓子を取り扱っているお店だけど、カフェもあったらいいとずっと思っていたんだ。
雰囲気の良いお店で食事をすると気分も良くなるものだからな」

「そうなんですね。 私も伊織さんの作ったお店見て見たいな…」