「す、すいません…。あの子ったら」
「いえいえ真凛さんが謝る事ではありませんので。
ああいうタイプの小娘は性根から叩き直さなければなりませんので」
優しい口調だけれど言っている事が恐ろしい。 少しだけ小早川さんの裏の顔を見た気がする。
「では、真凛さんも折角の休日をお楽しみ下さい。近頃は桃菜さんもご自宅に滞在されていてお疲れだと思いますし」
「まさか…小早川さん、私の為に?」
小早川さんの柔らかい瞳にはいつでも何だってお見通しのような気がした。
近頃は桃菜と過ごす毎日に疲れ切っていた。
四六時中彼女が一緒に居る空間は気が気じゃない。 そして何よりも嫌な気分になったのは、桃菜と伊織さんの仲良さそうな姿を見たくなくても目に入るから。
桃菜と伊織さんが仲良さそうにしていると、胸がモヤモヤする。 その心中はずっと秘密にしていた。 だって形だけの夫婦である彼と桃菜に嫉妬しているなんて口に出せば惨めになりそうだし。
「無理をする事はありません。 辛い事があればいつもで相談に乗りますよ」
「ありがとうございます。 小早川さんはやっぱり優しい人ですね」
「勿論、真凛さんは特別な人ですから」



