【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


有無を言わせない小早川さんの強引な申し出に、桃菜はまた納得のいかないといった顔で不機嫌そうにしていた。

それにしても何故ここまで小早川さんを嫌がるのだろう。
私から見ても、小早川さんはイケメンで性格も優しく魅力的な人だ。

自室に入って行く伊織さんと小早川さんの背中を見つめながら、桃菜は大きなため息を一つ吐いた。
どちらにせよ桃菜が諦めてくれたから、小早川さんの助け舟は私には有難かった。

けれど家の用事って?

―――――

「真凛ちゃんと伊織んと一緒に行きたかったのにぃ…」

「往生際が悪いですよ。 さ、表に車を出していますから乗ってください」

「ちょッ…碧人さん、首根っこ掴まないで下さい。自分で歩けますってばあ、動物じゃあないんだからッ!」

日曜日。宣言通り桃菜を迎えに小早川さんがやって来た。

いつもはスーツ姿だけれど今日は私服のようでラフな格好をしていた。  シンプルだけどお洒落で素敵。 けれど桃菜はどうしてここまで小早川さんを拒否するのだろう。