「それでも結婚するなら一言くらい言ってくれれば良かったのに。
あ!伊織さん、初めまして。 真凛ちゃんの親友の蛯原 桃菜って言います。
桃菜って呼んでくださいね~」
さっきまで大泣きをしていたのに、伊織さんの姿を認識するところりと表情を変えた。
この変わり身の速さには長い付き合いながら感心してしまう。
こうやって桃菜は人懐っこい笑顔を見せて、大概の男の心を掴んできた。
「うわあー、碧人さんも身長が高いと思っていたけれど伊織さんも大きいですねぇ~。
桃菜小さいから見上げちゃう。うふふ~」
「まあ、平均身長よりかは高い方だけどな」
伊織さんも伊織さんで褒められてご機嫌が良さそうだった。
「それにすっごくイケメンでびっくりしました~。 ボヤージュのお菓子桃菜もだ~い好き。
すごいですね~。若いのにこんなに素敵なタワーマンションに住めて
真凛ちゃんのお母さんに住所を教えてもらった時、びっくりしちゃった。
桃菜タワーマンションに来るの初めてだから。 それにインテリアもシンプルで素敵ッ」



