「無理!それは絶対に無理!」
ここが私所有のマンションならば仕方がないと二つ返事でOKをしただろう。
けれどここは伊織さんのマンションなのだ。 私が勝手に決める訳にはいかない。 …そもそも私達は一応結婚しているのだ。友人が一緒に暮らすなんてありえない。
「真凛ちゃんに見捨てられたら桃菜ホームレスになっちゃうよ…野垂れ死しちゃうよ。蒼汰くんとも別れちゃったのに…。
う、ぐすッ…。
それとも真凛ちゃんは桃菜に身売りをすれって言うの…?
ヒック、ぐすん…そんなの酷いよぉ…」
「そ、そういう訳じゃないけれど…!けれどうちは……」
ちらりと伊織さんを見つめると、どうやら話が見えず戸惑っているらしい。 そりゃあそうだ。いきなり来て何て失礼な事を。
こんな友人がいるなんて恥ずかしい。
それでも桃菜を放って置く事が出来ない自分が憎い。
困り果てて取り合えず泣きじゃくる桃菜を宥めていると、伊織さんが口を開く。
「おい、全然話が見えないんだが。 真凛の友達なのか?」
「はぁ…まあ」



