【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない


「今度合コンしよッ。真凛に似合う良い男探しするぞー!」

「ありがと、明海。 でも私そんなに落ち込んでないし、あんまり心配しないで…。平気だよ」

「真凛は辛い事があってもすぐに平気って言うじゃない…。だからこんなに心配してるんだよ。」

「分かってるよ。明海、ありがとう」

唇を尖らせながら、可愛らしい顔をちょっぴり歪める。
自分の事をここまで理解してくれて、心配してくれる友達が居る事は幸せな事だろう。

一時間程度居酒屋に滞在して、明海の話を聞いているうちに気持ちが前向きになっていった。

今日は飲もう、と明海は言ってくれたけれどテーブルに置いておいた携帯からけたたましい着信音が鳴り響いた。

画面を見た瞬間、嫌な予感がした。
災難は何故か続く。

画面に表示された’お母さん’という名前。 電話を出た瞬間に大号泣の母が「真凛ちゃああん」と私の名前を大声で叫んだ。

彼氏に振られた感傷に浸る暇も与えてはくれなさそうだ。