「ここの出口まで私は優里ちゃんたちを見送ったん。2人で仲良く手をふりながら帰っていったのは見たんよ。」


女の人の話で男の人の顔がみるみるうちにひきつっていく。


「……厄介なことになったな。」



男の人はくるりと私に向き直って目線を私の位置まで合わせた。


「優里、落ち着いて聞いて。優里はここに来るとき、いつもは行き止まりのはずの路地裏を進んで来たはずだ。そうだよね?」


こくん、と私は頷く。



「その後にきっと5分くらい狭い道を歩いたと思う。そこにはな、ここの商店街に入れないはみ出しもののあやかし達が希にいることがあるんや。」



「例えば……どんなのですか?」