私が尋ねると、2人は何やら困ったような顔を見合わせて考え込んでしまった。


「あ、もしかして人間界に帰れないとかそういう旨の話でしょうか?」


2人が私にショックを与えないような言い回しを考えているのだと思って聞いてみる。


「確かに怖いし、堪らなく家に帰りたいけど、もう覚悟は決めて……」


「ううん、違うんよ。」



女の人は眉を八の字に下げたままこう続けた。



「ここはあやかしがよく集まる商店街だけどね、ちょっと歪んでいるだけで一応人間界にあるの。だからたまたま波長があった人が迷い混んでくることはそう珍しくないんよ。帰ろうと思えばすぐ帰れるし、問題は無いんだけど…」



ひとまず、帰ることが出来るという事実に胸を撫で下ろす。




「あんた、優里ちゃんよね?」