「起きたかえ?」



襖から出てきた妖艶な雰囲気をまとう女の人は私の横に座るとそっと頭を撫でた。



「倒れとったあんたを銀さんが運んでくれたんよ。」


指差すその先にはさっきの男の人がいる。


女の人の不思議と落ち着く声のおかげか、さっきまで感じていた恐怖はとっくにどこかにいっていた。




「あ、あの……ここは何処ですか?」


勇気をだして尋ねてみる。



私の住んでいる世界…ではないよね…。