「…おや?迷子かい?」



急に声をかけられてドキンと心臓がはねあがる。




「そ、そうです!道に迷ったんで…」



後ろを振り返るとそこにいたのは(人間の姿形はしていたけれど)化け物だった。



ランランと光る赤い瞳


後ろでゆらゆら動く9つの尻尾


着物姿でまわりにふわふわと人魂のような物が浮いている





私は悲鳴をあげる暇もなく気絶してしまった。