この暗号…。

でも、なぜ?
フードの人が知っているのか…。

私は手が震えるのを何とか堪えながら、冷静になろうと頭を動かすも、どうやったって冷静になれない。

「フードの…男は、姫さんを…知っているよう…でした。」

「澤田の刺客か?」

「わ…かりません。ただ、姫さんな…ら分かるだ…ろうと言っていました…。」

神永さんは何とか言葉を繋げ、あったことを話してくれた。

姫野の裏切り者?

嫌な予感が、頭を支配する。

「莉依、何か分かるか?」

「…わからない。」

そう言って、私はその紙を翔ちゃんに渡して自室に籠る。

息が苦しいー…。

いつの間にか、息をするのも忘れるくらい止めてしまっていた。

清宮で、この暗号を知る人はいない。

もちろん川城も…神子芝も。

だってこれは…、姫野のシークレット暗号だから。

"テヲヒケ。デナケレバ、セイミヤトカワシロ、ミコシバヲツブス"

清宮と川城、神子芝に手を出すとの主の手紙。

私が10年前の件のことを調べていることを知ってる?

その後に続いた暗号があるのに気がついた。

その数字は紙の下の方に書かれていた。

8-72-52-55-7-94-93-5. 32-05-32"-44-6-62-2-92-55-6-25-55-5-2.

暗号を思いだすと、また心臓の音が太鼓のように大きく鳴り出す。

姫野のシークレット暗号を知ってると同時に、組の上層部のみ知る暗号まで知られてる…。

フード男は…一体何者?