ふと、部屋の外が騒がしくなる。
「若!」
晶さんが、血相を変えて部屋に入ってきた。
「何だ。静かに入れ。」
翔ちゃんの言葉にハッとする晶さんは、息と体勢を整え、言葉を口にする。
「清宮の組員が、何者かに襲われました。」
急いで組員が手当されている部屋に向かう。
そこには、たくさん殴られた痕であろうものが、顔も含めた体全体にあった。
「神永さん!?」
私は怪我をしている組員のもとへ駆け寄る。
神永さんは、私が清宮に来たときからの組員さんで、大変お世話になった人。
喧嘩も強く、組員の中でもリーダー的存在の人がボロボロになっていて、私は言葉を失ってしまった。
「神永、誰にやられた?」
「ーッ。若…申し訳あ…りません。誰だか…わからない…んです。男で…フードを被っ…ていて背丈は…180で体型…は俺くらいです。」
「他に何か言っていたか?」
翔ちゃんは冷静だが、瞳には怒りがみられる。
「こ…れを…姫さんに…渡せと…。」
白い封筒が神永さんの手から、私に渡された。
中の折られている紙を出して開くと、カタカナと数字が並べられていた。
"タ4ワ3ハ2カ4。ダ4ナ1カ4ラ4バ1、サ4ア2マ2ヤ1タ5カ1ワ1サ2ラ5、マ2カ5サ2バ1ワ3タ3バ3サ3"
私が固まっているのに気がつき、翔ちゃんたちが覗き込む。
「暗号か?」
「でしょう。フードのやつは、姫さんに何故これを…。」
「タ4…?なんやこれ。」
「…暗号にしても、なぜ姫に?」

