そう考えていると、俺の部屋の扉がノックされた。
「何だ。」
「若、報告や。」
そう言って入って来たのは、礼だった。
こんなときに報告?
急ぎの用か?
そう思っていると、後に組員2人が真っ青な顔をして立っていた。
何やらやらかしたな。
「姫もおったんか。眠ってるとこ堪忍な。」
おちゃらけて言ってはいるが、コイツの目は笑ってねぇ。
コイツ…キレてるのか。
相当なにかやらかしたんだな。
「莉依は今ぐっすりだ。親父の部屋で話を。」
そう言うと、2人は更に顔を真っ青にさせる。
いや、それを通り越して真っ白。
本当、何をやらかしたんだ。
面倒事はごめんだぞ。
「親父も呼んどこうや。ケジメ付けさせたる。」
「俺に今簡単に説明できねぇのか。」
呆れたように言うと、礼は真顔になった。
「ゆったら翔樹が暴れんで?ここやったら姫ちゃんに気が付かれる。俺でさえキレたいん我慢しとるんや。」
落とし前付けさせたるわ。
そう言う礼に益々訳が分からなくなる。
そんなにヤバイことなのか?
真顔になると言うことは、相当キレてるとみた。
「てか、俺がキレる前提かよ。」
ブツブツ言うも、早めに解決して莉依の事に専念しねぇと。
まさかコイツらが、莉依に対して思っていた事があったなんて。
このときの俺には分かるはずもなかった。
そして、とんでもない騒ぎとなるのはあと数分後。

