翔樹side
莉依が部屋にとじ込もってから、3日が経った。
清宮に戻ってからも、壊れたように言葉を繰り返している。
どうして鴻巣のことを知ったのか。
莉依以外にあの場に居たのは、意識を飛ばしていた清水だけ。
清水は何かを"知っている"。
「莉依ちゃん、ご飯も食べずずっと籠ってて…少しでも食べてくれるいいんだけど。」
お袋がお粥を作るも、莉依は一切手をつけず、部屋の扉の前に置かれたままだった。
3日も部屋から出ずにいる莉依を、清宮の皆は心配していた。
神子芝と龍也の妹が来ても、何の反応もない。
「姫ちゃん…。幼いときみたいに殻に閉じ籠んないとええんやが…。」
「そうですね…。やっと笑顔が戻ったばかりに…。」
幼い頃の莉依を知ってるからこそ、2度と同じようなことを味合わせたくねぇ。
コイツらの思いはみんな同じだ。
清水組の若頭の拷問をしてはいるものの、はぐらかしや、黙りで何も進まねぇ。
頼みの手段は、慶一郎の情報力。
「どうだ?慶一郎。」
「ー…、あったぞ。B地区の防犯カメラ。廃墟になってはいるものの、電気は使えるようになってるようだ。」
慶一郎は、パソコンからタブレットに動画を送り俺たちに見えるよう操作していた。
その画面を見ると、清水組と莉依のやり取り。
莉依が倒れ、意識を失うところ。
次の瞬間、ここにいる皆は息をのむ。
画面に見えたのは間違いなく…。
"鴻巣大我"だ。
「!?どういうことだ!?」
「鴻巣やないか!!」
「な…何故?鴻巣は清水と手を組んでいた?」
清水組の若頭と何やら話した後、鴻巣大我は、清水組の若頭に一発腹にくらわす。
あまりの衝撃に言葉を失う。
鴻巣は一体…