逃げ出したかったー…。

全てを投げ出してでも…。

私という存在が、有ってはならないということを現実が突きつけた。

いっそ壊れるのなら、消えてなくなればどんなに楽だろうー…。

私には、"人殺し"というものがついてくるー…。



満里奈の別荘を引き上げ、清宮に戻った私は、自身の部屋にずっと閉じ籠っていた。

満里奈と椿が心配して来てくれたが、出る気になれなかった。

大きなベッドに倒れたまま言葉を繰り返す。

「私が…両親を殺した…中里夫妻も…。」

涙がかれるまで流したはずなのに、涙が止めどなく流れる。

私は生きる価値がないー…。

殺したの…。

両親だけでなく、他の2人も…。

辛い…。

生きてるのが辛い。

人を殺しておいて、生きてる私が嫌だ。

のうのうと生きている私が憎い…。

「どうして私だけ生きてるの?どうして…。」

声をあげて泣きたいのに、私にはそんな気力はない。

憎い…。

憎い…。

私の全てが憎い。

これ以上生きている意味もないの。

暗闇の中ベッドから起き上がり、月明かりを頼りに自身の机へ向かう。

私は、引き出しからカッターを取り出し、その刃を手首へと当てたー…。

これで楽になれるかな。

もう、楽になりたいー…。

苦しさから開放されたい…。