「ごめんね、ありがとう。」

夜空に消えてしまいそうなほどの声を出した後、私は何食わぬ顔で満里奈と椿たちのもとに戻り、女子会を再開させる。

「大和さん、何だって?」

「あ、いや。いつもどってくるんだ?って。」

「莉依さん、ゆくゆくは姫野に戻るんですもんね。」

そう。
私は近いうち姫野に戻ることになる。

姫野の組長として。

「おじ様たちが、いつ戻るのかって騒いでるんだって。」

でも、本当の電話の内容は教えることができない。

巻き込んでしまいそうだから。

「まぁ、先の事は置いといて!今は忘れて楽しもう!そのためにここに来たんだから!」

「そうですわね!」

気を取り直して、話を再開すると、3人で恋愛の話になった。


「満里奈は晶さん一筋だもんね!」

「めげない満里奈さんは、とても可愛らしいですわ。」

「もー。そんな椿こそ、礼さんにものすごく好かれてるじゃない。」

椿の顔が赤くなるのをみて、思わず微笑ましくなる。

だって、椿が顔を赤くするのなんて、珍しいんだよ?

「そ…そんな、莉依さんこそ、毎日一緒にいますでしょ?何かありそうじゃないですか?」

真っ赤だった椿の顔が少しずつ落ち着き、今度は私に話を振ってきた。

「やっ…急に何もー!全くないから!」

「えー?私は良い感じだと思うんだけどなー。」

「えぇ。私も同じくです!大事にされてますって!」