二人を送り、車の中には私と翔ちゃん、晶さん、慶ちゃん、礼ちゃん5人。

「翔ちゃん、今日学校に有馬さんと鴻巣さんが来たの。そのとのに事件の資料を渡されたんだけど。」

「職権濫用か。」

うん。
私も同じこと思ったよ。
翔ちゃんの笑いに思わずつられて笑ってしまった。

「それでね、思い出せなかったんだけど、ここ見て。あのアクセサリーの写真が当時撮られていたみたいで。」

「黒龍のだな…。」

「これを渡されたとき、鴻巣さんから変なこと言われて…。」

翔ちゃんの眉間のシワがさらに深くなる。

「何故姫野が狙われたと思う?って…。」

もしかしたら何かしらの関わりがあるのかもしれない。
でもそうではなく、純粋に調べて何かを掴んで、何か思い出せないかと私に振ってきたのか?

「…何かしら知ってるってことか。慶一郎、鴻巣を調べとけ。」

「わかりました。」

「厄介極まりない奴やの。」

「有馬さんもいらっしゃるので、何かあれば話をしていきましょう。」

何かしら分かればいいんだけど…。


刻一刻と…、闇が広がっていく…。
白い華は、闇に染まっていく…。