結局冊子を見ても何も思い出せなかった。


疑問だけが残るー…。


「…い。莉…。依!莉依!」


私はハッとして顔をあげる。

そこには心配そうに満里奈と椿が立っていた。

「ご…ごめん。考え事してて。」

「大丈夫?ものすごい顔してたわよ。」

「何か分かったこと有りますか?」

二人とも私の過去を知ってるから、気にかけてくれてるんだ。


私は何も分からなかったことを伝え、三人で帰りの車を待った。


翔ちゃんに聞いてみよう。

慶ちゃんなら調べられるはず。

あと、姫野組にもまた聞かないと。

そう思っていると、姫野組から連絡が来た。

ー澤田光秀はこの件には関係ない。むしろ被害者のようだ。利用されて捨てられた。行方はくらましててまだつかめていない。アクセサリーだが黒龍だけでなく、他の族もあのアクセサリーを身に付けているようだ。ー

私は了解と打ち、後で電話すると送った。

少し張りつめた糸が切れかかっているのか、少し動機があらわれた。

大丈夫…。

壊れてはいけない。
強くなりたいの…。

もう、壊れてみんなの迷惑になってはいけない…。

私は胸をとんとんと叩き、大丈夫と言い聞かせ、二人にばれないように迎えを待った。