「あー!もーやだー!!」
あれから学校での行く先々、護衛の人がぴったりとついている。
いくらなんでも…と思うが仕方がない。
この前みたいに、族が来たらたまったもんじゃない。
翔ちゃんみたく私は強くないのだ。
「莉依、護衛の人に丸聞こえよ。失礼じゃない。」
「ですが、こんだけいられると、息がつまりますわね。」
…他人事だと思って。
「だからって、トイレまで来る!?」
そうなのだ。
トイレまで着いてくるという徹底ぶり。
やめてと言うも、護衛の人は若の命令ですので…と聞く耳持たない。
でもでも、女の子のところまで!
「これじゃぁ、一緒に出掛けるのも無理かなー。」
私がへたってしまう。
「じゃぁ、清宮さんたちを誘って出掛ければ?あの人たちがいれば私たちも安心でしょ?」
「ですが、許可おりますかね?」
…わからない。
今の時期、あまり忙しくないって言ってたけど、OKしてくれるだろうか。
そう考えていると、満里奈からとんでもない発言が飛び出してきた。
「とれたわよ!OK。」
へ!?
「直接話したわよ。私の別荘なら良いって。」
あ、ちなみに仕事もするみたいだから、川城組もだって。
そういう満里奈はすごくご機嫌。
翔ちゃんもこの押しには弱いらしい。
てか、グイグイ決めていくから、止められないって。
あの翔ちゃんでも無理って…笑えてくる。
でも、息抜きで少しゆっくりできるかな。

