闇に咲く華





暫くして、警察と清宮組のメンバーが学校に着いた。

「莉依!大丈夫か!?」

翔ちゃんに続き、晶さん、慶ちゃん、礼ちゃんが心配しながら車から降りてきた。

「大丈夫。この人たちは…。」

「若、これは。」

晶さんは、男たちのアクセサリーを翔ちゃんに見せる。
それをみた翔ちゃんは、慶ちゃんに調べさせるように指示した。

「にしても、学校にまで手ぇ出してくるん、けったいなやっちゃな。姫ちゃんが黒龍に狙われとるなんて。高校生やないのに。」

「最近騒がしく動いてると思ったら、姫のところまで。」

「慶一郎、何か分かったか?」

「えぇ。ざっとですが、少し情報を得られました。このアクセサリーは、黒龍の紋章ともいえるものでしょう。ただ…。」

歯切れの悪い慶ちゃん。
わたしを見て翔ちゃんに視線を戻す。

「これの出所が、澤田組らしいんです。」

「澤田…か。それは…。」

慶ちゃんはメガネの縁を触りながら再び口を開く。

「澤田國光ではなく、澤田光秀。澤田の一人息子です。ですが姿は表さず、実在するのかも怪しいところです。」

澤田の一人息子…。

張りつめていた糸が、切れそうになるのをこらえて、私は深呼吸をする。

ここで我を失ってはいけない。

「莉依…大丈夫か?」

「大丈夫…。」

「姫、申し訳ありませんが、しばらくの間護衛させていただきます。学校の門で見張る者、姫と共に行動する者とさせていただきます。」

しばらく窮屈ですが、よろしくお願いいたします。
そう晶さんは頭を下げ、翔ちゃんと警察の方のところに行った。

「―…!?」

また殺気!
周りを見ると、強く感じた殺気は無くなっていた。

何だろう。

変な胸騒ぎが…。

強く感じた殺気は、私に向けられたもの。

黒龍や澤田の名が上がってきていることに、関係があるのかしら?