闇に咲く華





「ふ…ふざけるなー!」

1人の男が叫び、その声を合図にするかのように男たちは私めがけて拳を振る。

「教授、急いで中に!警察と清宮家に連絡を!」

そう言いながら、男たちを一発で倒していく。

翔ちゃんの耳に入れば、すぐ来てくれるはず。

族との乱闘騒ぎは、清宮が片付けてくれている。

それまで何とか、被害を少なくしていかないと…。

そう思いながら、相手の急所を次々と攻撃していく。

小さい頃から仕込まてれたのと、翔ちゃんに教えてもらいながら、身を守る術はしっかりと身に付いけてきた。

だから、そんじょそこらの女の子より強いことは自負している。

「次から次へと…飽きないわ…ね!」

てかさ?
何人いるのさ!?

これはすっごく時間がかかる。

只でさえ、男たちVS私。

人数にはかなわないなぁ。
そう思いながら、次々と倒す。

流石の私でも、体力ってもんがあるからね?

最強じゃないのよ!
疲れるわけよ。

限界まで殺るだけやってみる?

そう考えていて、後ろの男に気がつかなかった。

「莉依さん!」

ドカッと鈍い音がして振り向くと、椿が男を吹っ飛ばしていた。

「つ…椿!?」

所作が美しい椿からは想像できないほどの喧嘩力。

流石川城組のお嬢様。

無駄な動きひとつ無く、綺麗な動き。

私はリーダーっぽい男の首根っこを掴みながら驚いてしまった。

「あー、ハイハイ。莉依も椿も終わりね。そろそろ警察くるから。あと清宮家もね。」

スマホを片手に、淡々と話す満里奈。
今は理事長モードのようだ。

私は気にもせず、首根っこを掴みながら男に問いただす。

「ねぇ、あんたはなに?族みたいだけど??」

すると男は、もうあとがないと思ったのか罵声を飛ばしてきた。

「女だからって調子に乗るなよ!?俺ら黒龍には、一番強い総長がいるんだ。そのうちお前はヤられるからな!」


「あぁ、あんたら黒龍か…。誰に言われた?」

私が冷たく言いはなつと、男はニヤリと笑う。

「そのうち分かるさ。」

そう言って口を閉ざし、全く答えなくなった。

殴ってやりたい…。

ボコボコにしようかしら。
でも、満里奈がすごい形相でこっちを見てる…。

まるで、"学校で騒ぎをこれ以上起すな!"と言っているようでー…。

私は深呼吸をして、椿と一緒に黒龍の奴らを縛り動けなくしていった。