「莉依!?落ち着け!」

「だ…め…はっはっ…わ…たし…人…ごろ…し…」

涙がドンドン溢れてくる。
息もうまく吸えない…。

「くそっ…悪い龍也、このまま帰らせてもらう。」

翔ちゃんは私を抱き上げ、車に向かった。

でも、私の頭の中は、澤田のことで頭がいっぱいになっていた。

「いやっ…離して…はっはっ…。」

「お前のせいじゃねぇんだよ!落ち着け!」

「違…う!私…が…ころ…した!」

私は翔ちゃんの手を払うように暴れた。
冷静を取り戻したいのにそれができない。

その時、私は翔ちゃんにキツく抱き締められた。

「はな…し…て!離…して!」

「お前は悪くない‼人殺しなんかでもねぇんだ!」

頭に浮かんだのは、父と母が撃たれるところ。

フラッシュバックを起こしてパニックになる。

私が…私が飛び出さなければ…。

私が殺した…。

「全ての原因は澤田なんだ!お前が澤田にのみ込まれてどうする‼お前には俺がいる‼晶も、礼も慶一郎も姫野組も、神子芝も川城も‼」

「ひっく…はっ…はっ」

「大丈夫だ。」

翔ちゃんの言葉に少しずつ、落ち着いていくのがわかった。

「ふっ…ふぅ、はぁ、はぁ…ごめ…ん…なさい。」

「大丈夫だ。」

翔ちゃんは抱き締めながら頭を撫でてくれた。

そして私は、意識を手放した。