「え…う…あ…。」

翔ちゃんの思わぬ行動に、言葉がでない。

すると、私の髪を手にとり口付ける。

「その反応も、髪も、赤く染める頬も、唇も俺のものだ。誰にも渡さない。」

翔ちゃんの言葉に、胸がぎゅっとなる。

端から聞くと、重いとか恐いとか思うかもだけれど、私は嬉しい。

こんな私を好きだと…愛してると言ってくれた。

「あ…あのっ、近い…。」

私が顔を逸らそうとすると、両手でそれを阻止してきた。

顔を優しく包み込むように触れた翔ちゃん。

「身も心も俺のものにしたい。」

その言葉に、大きく高鳴る。

それって…。

「で、でも…、怪我が…。」

怪我まだ完全に治った訳じゃないし、仕事もあるから…と思うも、翔ちゃんの熱い瞳に捕らわれる。

「ダメか?」

もう。
全部翔ちゃんのものだよ。

首を横に振ると、翔ちゃんは私の目や鼻、首と沢山の口付けをしてきた。

そして、またお姫様抱っこをしてベッドまで運ばれる。

口から心臓が飛び出してしまいそうな程、うるさく鳴っている。

大好きな翔ちゃんなら…。
私は全て捧げる。

「邪魔は入らねぇから…ゆっくり、たっぷりな。」

そう言って妖艶に笑う翔ちゃんに、私はまた囚われる。

そして、また私に口付け、ベッドに沈み込んでいくー…。


闇の中で育った華は、鬼のように恐ろしく、美しい龍によって光へ導かれ、沢山の愛をもらった。

これからまた、沢山の闇に出くわしても、もう深い闇には落ちないだろう。

闇に咲く華はいつまでも輝きますようにー…。

「莉依…。」

「翔ちゃん…。」





「「愛してる。」」












Fin.