「話がだいぶ反れたな。お前が思ってることは的外れ。てか怒ってねぇし。大事な話するから真剣な顔したんだよ。」

…なるほど。
無理やり納得していると、翔ちゃんは私の両頬を手で包みながら話を戻した。

何が起きてる?と驚く暇もなく、すごい言葉が降ってきた。

「俺と結婚してくれないか?」

「え…。え?」

「俺は付き合うとか生半可なことはしたくない。未来の事も含めてお前と一緒にいたい。」

涙が溢れ出て、止まることをしらない。
涙のせいで、翔ちゃんの顔がぼやけてしまっている。

「愛してる。」

翔ちゃんはそう言って、私に口付けた。
優しく、でも強引に。

「悪い。返事聞く前に…。」

さっきまで、自信ありげに言っていたのに、少し弱気になっている翔ちゃん。

「…も。」

「ん?」

「私も…愛してるっ!」

両頬に翔ちゃんの手があるため、動けないけれど、止まらない涙顔であるが必死に想いを伝える。

まさか、好意を持ってくれていると思ってなくて…。
翔ちゃんの想いが嬉しくて。

「お前が居なくなった時、気が狂いそうだった。」

うん。

「お前が、辛い時、傍に居れなくて、悔しかった。」

うん。

「お前を守りたかった。大切だからこそ…。」

そう言って私を抱き締めた。

力強く抱き締めるも、僅かに震えている。
何でも冷静に物事を見る翔ちゃんが…。

「ごめんなさい…。ありがとう。」