「翔…ちゃん!」

私は翔ちゃんに抱きつく。
翔ちゃんも私が飛び付いてくるのを予測していたのか、受け止めてくれた。

「莉依…無事で良かった。」

きつくきつく抱き締められる。
涙が溢れ出て、止まらない。

「ごめんなさい…。一人で勝手に決めて…行動して…。」

「本当だ。心配させやがって。」

翔ちゃんはそう言って私を離して、視線を合わせる。

「…ぷ。」

「へ?」

急に笑い出す翔ちゃんに困惑する。

何!?
どうした!?

「キモいくそジジイ…。」

そう言ってまた笑い出す。
そこ、ツボるとこ?

「あ…あれは!信じなきゃって思ったら、冷静になれて、澤田のものになろうとした私に向けての暴言でもあって…。」

「暴言か…ククっ…。」

翔ちゃん、こんなに笑う人だったっけ?
未だに笑ってる翔ちゃん。

大丈夫?
見たことない姿に驚いていると、後ろから声がかかる。

「珍しいですね。若がこんなに笑うの。」

「せやせや!明日隕石でも振るんとちゃう?」

「礼、それは言い過ぎ…と言いたいところだが、俺もそう思う。」

「晶さん、礼ちゃん、慶ちゃん…。」

視線の先には、穏やかな表情の三人。

「帰ってくるだろ?姫。」

そう言って私の頭を撫でる晶さん。
素で話すから、さらに驚く。

「おい。莉依に触るな。」

「はぁ?嫉妬かよ。束縛する男は嫌われるぞ?」

「お前には神子芝がいるだろう。」

「へいへい。」

「こっちもめっずらしいやないか!晶が素になっとる!」

「仕事は終わったからな。勤務外と言うやつか。上手く切り替えるな。」

4人のやり取りを見て、何故だか安心している自分が居た。

そんな風に思わせてくれる、この4人は本当に凄い。