「ったく。莉依、お前はにはヒヤヒヤさせられる。寿命が何年あってもたりない。」
沈黙を断ち切るように大和が苦笑いしながら声をかけてきた。
「ごめんっ…。」
新に芳樹、陽介、優杏さんが私のもとにかけてくる。
その姿に私はふと笑みがこぼれた。
何でだろうね。
ほんの少し前まで、洗脳されそうになってたのに。
皆の言葉の力は凄く心に響いて、私の強みになった。
「莉依…。」
ふいに後ろから、声をかけてきた翔ちゃんに、ドキリと胸が高鳴る。
どんな顔をしていれば良いのかわからない。
私から突き放したから…。
私が振り向かず黙っていた私に大和が言う。
「組のために、自分の情を捨ててまで動くのはすげえと思う。だけど、大切な奴を手放せる程の想いだったのか?」
俯いていた顔を、勢いよく上げる。
そこには、優しい表情の大和がいた。
「もう何もお前を縛るものはねぇ。お前の選んだことに、俺達姫野は誰も反対しない。」
「でも…。」
私は姫野の組長という立場。
そして、翔ちゃんは清宮の未来を背負う若頭。
愛いれることは…。
「莉依、何弱気になってんだよ。堅苦しい考えはよせよ?もう、気を張らなくて良いんだ。素直になれよ。」
素直に…。
私はどうしたい?
迷惑じゃない?
突き放したんだよ?
でも、私はー…。
「組長、行ってこい。」
大和の声に弾かれるように、翔ちゃんの方に振り向く。
そこには、優しい表情の翔ちゃんが居た。
私の愛しい人ー…。

