「翔…ちゃ…ん…。」

目だけなんとか声のした方へと動かすと、翔ちゃん達と龍也さんがいた。

何で…。
突き放しのに…。

「おやおや、清宮の騎士たちのお出ましか。」

翔ちゃんたちは、澤田の組員を一人一人倒している。
大和達も澤田の組員の隙を見て動き、優杏さんを助ける。

それでも、人数は澤田の方が圧倒的に多い。

「邪魔くさいのぉ。」

その言葉と同時に、銃弾が何発も発射された。

その弾は、翔ちゃん達と大和達の肩や足に当たる。

「翔ちゃん!!晶さん!礼ちゃん!慶ちゃん!龍也さん!大和!新!芳樹!陽介!」

肩や足だったため、グッと立ち上がっているも、撃たれたところから血がダラダラと流れ落ちる。

大和は、優杏さんに向けられた弾も受けたため、出血の量がすごい。

「あ…あぁ…。」

守るって決めたのに…。
結局守れず巻き込んでいる…。

それを見た澤田は、私にとどめの一言を放つ。

「これがお前だ。誰一人守れねぇんだ。弱ぇ小娘なんだ。」

誰一人…守れない…。

「壊れて壊れて、お前はワシのものになるのだ。」

澤田のものに…。

「ワシのものになるならば、ここにいる奴らを引かせても良い。」

澤田のものになれば、皆を守れる…。

「本当に…?」

「莉依!惑わされんな!俺らの事なら大丈夫だ!そんな話に乗ることねぇ!」

翔ちゃんが、拳を振りながら大声を出しす。

「清宮の言う通りだ!俺達も組長を見捨てるわけがねぇ!姫野の皆もそうだ!澤田に…、闇にのみ込まれんな!」

大和も私に大声で答える。

でも、私が澤田の元へ行けば、皆助かる…。

大切な人を守れるのなら…。