殴り進めていくと、中庭が見えてきた。
だが、あと少しというところなのに澤田の組員が邪魔をして進めねぇ。
「邪魔だ!失せろ!」
うぜぇ。
何人も殴り倒すが…、キリがねぇ。
数だけは立派な澤田組。
ちょこまかと動き回るやつもいて、腹立たしい。
「翔樹!大和!ここは川城に任せろ!道を開けるから、そのうちに姫ちゃんのもとへ行け!」
龍也が叫び、自身の組員に俺たちが進めるように澤田の組員にどんどん拳を入れていく。
龍也が折角、組員と共にここまで動いてくれている。
俺は中庭にいる莉依のもとへ一気に向かう。
くっ…。
何処から涌き出てくんだコイツら。
ここをしっかり片付けねぇと…。
!?
ギリギリのところで避けたが、気を緩めていたら当たっていた。
俺の目の前には、難いのいい澤田の組員がいた。
中々やるじゃねぇか。
難いのいい男は、鉄パイプを振り回しながら、俺たちとの間合いを詰めていく。
おもしれぇ。
「大和!!」
「あ"!?」
「この先にいるのは、お前らの長だ!俺はコイツを殺ってから行く!先に行け!」
俺の言葉に、大和はキレた。
「はぁ!?てめぇの大事な女だろ!お前が行かなくてどうする!!」
「1分で片付ける。まずは、姫野組のお前らが組長のもとへ迎え!」
澤田の相手は、姫野組だ。
本来なら、真っ先に行きてぇところだが、この人数だ。
俺たちが足止めをして、先に行かせるのがいいだろう。
「っ…。すぐに来い!!少しでも殺られてみろ!俺が清宮を潰す!!」
そう言って、中庭に走っていった。
側にいる中里っていう女も、軽やかに澤田の組員をかわしている。
あの女…、やるな。
さぁ、大和に潰す宣言をされたし。
そうならねぇように、1分で片付けるか。
「どっからでも来い!!」
翔樹side end

