闇に咲く華













「血生ぐせぇ…。」

目の前には、目のイッた澤田の組員が立っていた。

焦点が合ってねぇな。
薬…か。

「こいつら薬をやってやがる。何しでかすかわからねぇから、気ぃ引き締めろ。」

俺の言葉を聞くなり、入り口の組員に殴りかかる。

1人…また1人と倒していく。

1人1人は弱いが、こうも束になって来ると、手こずるな…。

フラフラしながらも、その拳は薬の効果なのか重く感じられる。

ハイ状態というわけか。

「5分で中庭まで片付けるぞ。」

俺の言葉に、他の奴らはあり得ないって顔してやがる。

礼と芳樹の関西人2人は、ドアホーだの何やらギャーギャー騒いでやがる。

すると、烏丸が大笑いする。

「ははっ。5分でこの4500人を殺り終えるとは。無謀だが、楽しそうだな。」

「我が若は、本当に無謀なことを言います。」

「姫野組に居なくて良かった…。」

大和まで言いやがるか。

いや、これはまたあと。
今は莉依を助けることが最優先。

「てめぇら、すぐのしてやるよ。」

次から次へと来る澤田の組員に、俺は思いっきり拳をいれていく。

速く…。

速く莉依のところに向かわねぇと。

何とか間に合ってくれ…。

莉依が壊れる前に…。