手紙の内容を見て、驚愕する。

父からの手紙…遺書だ。

『莉依へ。これを見つけたと言うことは、父さんはこの世に居ないことになる。遺された莉依に、伝えなければならないことがあるから筆を取った。澤田は、俺と莉依を狙うはずだ。そうすれば、凌佳を手に入れられると考えているようだ。そして、もし、莉依が生き延びていたら、執着の矛先が莉依に変わるかもしれない。莉依が5歳の時に、澤田が一度組に来て襲撃してきたときがある。その時アイツは莉依を見て、"凌佳に似て綺麗な顔をしている。"と言っていたんだ。その表情は、凌佳を見ているときと同じだった。いいか莉依。澤田が言うことは、全部自分の良いように動かすための戯言だ。惑わされるな。お前の心を壊そうとするならば、それは嘘。闇に落ちるな。必ず生き延びろ。父功希より。』

10年前、狙われてたのは父と…私…?

母ではなく私…。

澤田は…母を手に入れたくて襲撃事件を起こしたってこと?

でも、それと私に執着しだしているっていうのはいったい…。

母は私を庇って撃たれた。
私が飛び出さなければ、そうはならなかったと言うのは変わりの無い事実。

澤田は予想を覆され、生き延びた私に殺意の目を向けたってこと?

「パンクした頭が、消えそうなくらい動かない。」

奴は今も尚、姫野に執着するのか…。

「脱獄するほどの理由があるのだろうか…。」

明日、情報と優杏さんの情報網を引き渡す際、何かが起きる?

その"何かに"引きずり込まれてしまうことを、私はまだ知らない…。