闇に咲く華












深呼吸して、気持ちを落ち着かせる。
殺気を含んだ視線を送りながら、強めに言う。

「清宮…次は無いぞ。」

その言葉に。樹さんは辛そうな表情で私に頭を下げる。

樹さんに続き川城のおじさまも、同じ表情で頭を下げた。

…ごめんなさい。

そんな顔をさせたい訳じゃないの…。

でも…。
巻き込ませないためには、突き放さなければならない。

この件は、澤田と姫野の確執。
姫野で必ず終わらせなければならない。

いえ、私が終わらせなければならない。

「しっかりと命を守り通せ。いいな?」

私は強く言葉を出して姫野の屋敷に入った。
後ろでは、翔ちゃんが私の名を呼ぶ。

ごめんね、翔ちゃん…。
心配してくれて、ありがとう…。
涙が出そうなのを、必死で堪えながら自身の部屋へと向かう。

大和達には、誰一人として入れるなと命じて。

…総会は終わった。

澤田とのやり取りまであと1日。

少しでも多くの情報を得ないといけない…。

澤田の本当の狙いを見つけ出さないと…。

誰一人として傷つけない為にもー…。