「何や何や。辛気臭い話しよって。今日は姫ちゃんの誕生日なんやから、この話は無しやで!」

後ろから礼ちゃんが呆れた声を出す。
晶さんもそうですよと同意。
慶ちゃんは…まぁ、無言でタブレットを見てますよ。

「じゃぁ、あそこの雑貨!見に行こ!」

私たちは雑貨やに入り、品物を見始めた。

私は翔ちゃんたちにバレないよう、大和に連絡を入れる。

ー嫌な予感がする。◯◯タウンまで来て待機。ー

そう送ってすぐ、了解と返事が返ってくる。
とりあえず、何かあれば姫野もいる。
翔ちゃんたちも強いけど、念のため。

みんなには怪我はしてほしくない。

不安を払拭するために私は、商品を眺める。
いいのがあると良いな。

「あ、龍のモチーフのネクタイピンだ。」

ネクタイピンに龍が巻き付いてる感じ。
伝わるかな?

しかも4つあるし、翔ちゃんたちにプレゼントしようかな。

お世話になってるお礼で。

お会計をして、翔ちゃん達のところに向かう。

「何買ってきたんだ?」

「えっと、ネクタイピンがあって、4人分買ってきたの!しかも、鬼龍のときのカラーで揃えられたの!」

鬼龍のときのカラーは、晶さんは赤、礼ちゃんが黄色、慶ちゃんは紫、そして翔ちゃんは黒。

そのカラーを集められることができて、若干興奮気味の私。
笑えてしまう。

みんなに渡すと、礼ちゃんが抱きつこうとしたが、翔ちゃんにそれを阻止された。

「お前の本命は川城の嬢だろ。」

冷たくあしらう翔ちゃん。
そして、慶ちゃんと晶さんに一発くらっていた礼ちゃんであった。