「最後…、3つ目の鴻巣泰我について。」
表情が一気に変わる。
「鴻巣泰我は、表は刑事、裏は澤田組組員と情報が出て何かに上書きされたものだったでしょ?」
優杏さんは新に向いて話しかける。
新は頷いた後、その上書きされる前の情報が開けなかったと呟く。
「それは…、私の両親が関係しているから。」
その言葉に、ここにいる全員が驚く。
優杏さんの次の言葉で、私の頭はパンクを通り越してショート寸前。
「鴻巣の情報を上書きしたのは…私の両親よ。」
衝撃過ぎた。
澤田組組員の鴻巣泰我と言う情報を上書きしたのが、中里夫婦だったということ?
どうしてそんなことを?
え?
何のために?
「あー!!頭がこんがらがってる!数日前まで、荒れていた私にその情報はさらに混乱させる!」
私が慌てていると、優杏さんはは優しく微笑みをくれた。
「大丈夫。」
そう言った優杏さんの表情は柔らかかった。
「そのうち、彼から真実は伝えられると思うけど…。私が言えるのは、鴻巣泰我は敵ではなく、姫野組のシークレット組員だということ。」
鴻巣泰我は敵ではなく姫野組のシークレット組員!?
「どういうことでしょう?優杏さんの両親といい、鴻巣泰我のことといい、姫野組にはそんな情報は…。」
新が言いかけたのは、姫野組にはその情報はないと言うこと。
私だって聞いたことない。
大和も開いた口が塞がらない状態。
「だから、言ったじゃない。私の両親が情報を上書きしたって。」
「もしかして、私の父の命で?」
「莉依の親父さんの…?」