姫野組のシークレット組員なんて居たの!?
初めて知ったけど!
大和にまた目を向けると、知らなかったと言わんばかりの表情をしている。
「当時の姫野組には、4人のシークレット組員がいたみたい。それは、清宮組と川城組も知らない…、姫野組の上層部のみが知る極秘組員だった。そのうちの2人が私の両親である中里裕翔と中里杏里。」
4人のシークレット組員が居たこと、初めて知った。
「私の両親は姫野組の元情報参謀。そして世界的に有名な情報屋。」
全世界の情報を取り扱いっている情報屋!?
噂に聞いたことはあったけど、実在しているとは思わなかった。
「元々情報屋だった両親は、姫野組組長の姫野功希さんに見初められ、姫野に入ったの。そして、姫野功希さんと姫野凌佳さんが秘密に調べていた澤田の悪事を私の両親がつきとめたのよ。」
澤田の悪事か…。
元々、薬や恐喝をやっていた澤田組は姫野や清宮、川城に目をつけられていた。
でもそれ以外にも悪事が?
「薬や恐喝だけなら澤田はここまで動かなかったと思う。でも、当時澤田はある事をひた隠しにしていた。それは…、海外で人身売買をしていること。」
じ…人身売買。
しかも海外に!?
海外での人身売買は不正な臓器販売。
まさか…。
「老若男女売りさばいていたのよ、薬と一緒に。姫野組が人身売買をつきとめた事を知った澤田組組長は、姫野の組長と姐さん、私の両親を殺すために姫野の領地へと踏み込んだ。」
そして、10年前の姫野組襲撃事件ね…。
変な汗が背中をつたう。
澤田は私の両親だけでなく、優杏さんの両親までも…。
あの事件ファイルに載ってた2人の名前は、姫野のシークレット組員だったのね。
「次に2つ目の澤田が狙っているものについて。」
澤田は何かを狙っているというの?
さっきから情報処理が追い付かない。
無い頭をフル回転するも、パンク寸前だわ。
「姫野組組長が隠したUSBメモリと、私自身。」
USBメモリ?
そんなの父から何も聞かされてない。
その中に、澤田の欲しい情報があるのね。
けど、優杏さんの自身までも澤田は欲しがっているなんて…。
一体何のために?
「姫野組組長は、殺されることを予知していたかもしれない。中の情報は私が調べても出てこなかったから確かなことは言えないけれど…。澤田が探していることをふまえ、きっと人身売買のことについてのデータだと思われるわ。」
そうだったのね。
澤田は父の残したとされているUSBメモリを探してるのね。

