ストロベリー・ゲーム

 
まだまだ子供なんだね、私は。
同情されて嬉しくなるの。駄々をこねれば甘やかしてくれると思っている。

まだ朝のうちに、真広は苺を口にした。
腐る前に食べられてよかった。食べているところを見られるのは恥ずかしいよね。

私は真広の方をみないままでいた。真広が空の瓶を私の前に置く。間もなく静かに響く咀嚼音。ああ、終わったと心の中で呟く。



こんな終わり方で良かったのかな。

もう少し話し合うべきじゃなかった?



浮かんでは消える考え。
腕で強くこするように拭って涙が乾いた頬。呼吸が落ち着いてきた。もう遅いけど。これしかなかったって思うことしかできないけど。

思うようにいかないね、現実は。