「私だって言いたくて言ったわけじゃないよ!」
我慢していたけど耐えられなかった。
大人しい人でいたいって。冷静でいたいって。それでも壊れる前に叫びたくなる気持ちは分からないでもない。
「どうせ昔の事件の犯人は私なんだし。二人が私がいないときに喧嘩するから、なんとかしたいって思って。でも、これしか思いつかなかった!! 私だって本当はここから出たいのに」
早口で本音を叫んだ。
自分の声を聞いても、自分じゃない気がする。
こんなはずじゃなかった。でもいつかは言いたかった。未練なく終われるはずがない。悔しい。色んな気持ちがこみ上げてきて、私はとうとう泣いてしまった。
嗚咽が止まらない。喉から搾り上げられたような声が出てくる。情けない、なあ。恥ずかしいなあ。部屋の中に自分の声だけが響いていた。



