ストロベリー・ゲーム


「食べられないなら、私が食べたいんだけど」



考えれば考えるほど悲しくて、怒りが湧いてくる。
なにも言わず黙っていられるほど、私もお利口ではない。真広は分かっているのかな? 藍子も。

私が発言するや否や、二人とも驚いたような顔をして。
真広が先に視線を逸らした。

「......ごめん」

「怜美、急かさないでよ」


優しく真広を庇うような藍子の物言いに、そうじゃないでしょ、と思ってしまう。